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2030年問題で採用はどう変わる?中小企業のこれからの採用マーケティング入門

小林 稜

PROJECT MANAGER

はじめに

「求人を出しても応募が来ない」「内定を出しても辞退されてしまう」。そんな採用の悩みは、今後さらに深刻になっていきます。その背景にあるのが2030年問題です。

結論からお伝えすると、2030年問題の影響を最も強く受けるのは中小企業の採用です。求人媒体に掲載して応募を待つだけの採用は年々難しくなっており、これからは自社で候補者との接点をつくる採用マーケティングの考え方が欠かせません。

この記事では、2030年問題が採用市場に与える影響を最新データで確認した上で、中小企業が今から始められる採用マーケティングの具体策をご紹介します。

2030年問題とは?採用市場に何が起きるのか


2030年問題とは、少子高齢化の進行によって2030年頃に労働力不足や社会保障負担の増大などが深刻化するとされる社会課題の総称です。採用の観点では「働き手の総量が足りなくなる」ことが最大のポイントです。

パーソル総合研究所と中央大学の共同研究によると、2030年には7,073万人の労働需要に対して労働供給は6,429万人にとどまり、644万人の人手不足が生じると推計されています
(出典:パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計2030」2019年2月公開

さらにリクルートワークス研究所のシミュレーションでは、労働供給の不足は2030年に約341万人、2040年には約1,100万人まで拡大すると試算されています
(出典:リクルートワークス研究所「未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる」2023年3月発表

重要なのは、この人手不足が景気の波による一時的なものではなく、人口構造に起因する構造的・慢性的なものだという点です。つまり「景気が落ち着けば採用しやすくなる」という期待は成り立たず、待っていても状況は改善しません。

 

中小企業の採用が特に厳しくなる3つの理由

2030年問題の影響は、企業規模によって大きく異なります。この章の結論は「人材獲得競争のしわ寄せは中小企業に集中する」です。理由は次の3つです。

求人倍率の企業規模間格差

リクルートワークス研究所の調査によると、2026年卒の大卒求人倍率は全体で1.66倍ですが、従業員300人未満の企業では8.98倍に達しています。一方、5000人以上の大企業はわずか0.34倍です
(出典:リクルートワークス研究所「第42回 ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」2025年4月発表

中小企業では1人の学生を約9社で奪い合う一方、大企業には学生が集中して選考倍率が上がる。同じ採用市場でも、規模によってまったく別の景色が広がっているのです。

人手不足がすでに常態化している

日本商工会議所の調査では、中小企業の68.0%が「人手が不足している」と回答し、2015年の調査開始以来最大となりました
(出典:日本商工会議所「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」2023年10月発表

直近でも、帝国データバンクの調査で2026年1月時点の正社員の人手不足企業割合は52.3%と、1月として4年連続で50%を超えています
(出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年1月)」2026年2月発表
2030年を待たず、人手不足はすでに経営課題の中心になっています。

人手不足が倒産に直結し始めている

帝国データバンクによると、2025年の人手不足倒産は427件で3年連続の過去最多を更新し、初めて年間400件を超えました。そのうち77.0%(329件)は従業員10人未満の小規模企業です
(出典:帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2025年)」2026年1月発表

採用の失敗は「欠員が埋まらない」では済まず、事業継続そのもののリスクになりつつあります。

 

求人媒体に頼る「待ちの採用」が通用しなくなる理由

この章の結論は「求人媒体への掲載だけでは、そもそも母集団の絶対数が足りない」です。

前述のワークス大卒求人倍率調査によると、2026年卒の民間企業の求人総数76.5万人に対し、学生の民間企業就職希望者数は46.1万人。求人が30.4万人分も超過している状態です。求職者側から見れば選択肢が有り余っており、数ある求人情報の中から自社を見つけて応募してもらうハードルは年々上がっています。

さらに、求職者の情報収集行動も変化しています。キャリタスリサーチの調査では、就職活動中に企業の採用ホームページに「かなり目を通した」と回答した学生は67.9%にのぼります
(出典:キャリタス「2025年卒採用ホームページに関する調査」2024年7月発表

つまり、求職者は求人媒体の情報だけで判断しているのではなく、企業の採用サイトやSNSを見比べて応募先を選んでいます。媒体に「掲載して待つ」だけの採用から、自社の魅力を発信して「見つけてもらい、選ばれる」採用への転換が必要な理由がここにあります。

採用はそれなりにやってるつもりだけど、
今一効果が出ない。どう改善すればいいか分からない。
そんな課題をお持ちの方は、まずはお気軽にご相談ください。

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採用マーケティングとは?採用ファネルの考え方


採用マーケティングとは、商品やサービスを売るためのマーケティングの考え方・手法を採用活動に応用し、求職者を「顧客」と捉えて認知から入社・定着までを戦略的に設計するアプローチのことです

中心となるのが「採用ファネル」という考え方です。ファネル(漏斗)とは、候補者が段階を進むごとに人数が絞られていく様子を図式化したもので、一般に次の段階に分けられます。

  • 認知:会社の存在を知ってもらう(SNS・ブログ・広告など)
  • 興味:働く場所として関心を持ってもらう(採用サイト・社員の発信など)
  • 応募:実際にエントリーしてもらう(応募導線・エントリーフォーム)
  • 選考・内定:辞退されずに選考を進んでもらう(面接体験・連絡スピード)
  • 入社・定着:ミスマッチなく入社し、長く活躍してもらう(情報開示・オンボーディング)

ファネルで採用活動を分解すると、「そもそも認知されていないのか」「応募直前で離脱されているのか」といったボトルネックが見えるようになります。やみくもに求人広告費を増やすのではなく、詰まっている段階に絞って手を打てることが、採用マーケティング最大のメリットです。

 

中小企業が今始められる採用マーケティング施策5選

大がかりな予算がなくても始められる施策を、優先度の高い順にご紹介します。

  • 1. 採用サイトの整備:前述の通り、就活生の67.9%が採用ホームページを熟読しています。仕事内容・待遇・社員の声など、求職者が知りたい情報を自社の言葉で揃えることがすべての土台になります
  • 2. 採用CX(候補者体験)の改善:採用CXとは、候補者が企業を認知してから入社までに経験する一連の体験のことです。応募フォームの入力項目を減らす、選考結果を素早く連絡するなど、候補者目線で選考プロセスを見直します
  • 3. オウンドメディア・ブログでの発信:仕事の裏側や社員インタビューなどの記事は、求人票では伝わらない社風を伝え、検索経由の認知獲得にもつながります
  • 4. SNSでの日常的な発信:職場の雰囲気を日常的に発信することで、まだ転職・就職を意識していない潜在層との接点をつくれます
  • 5. データに基づく歩留まり改善:応募数・面接設定率・内定承諾率などをファネルの段階ごとに記録し、離脱が大きい箇所から改善します

すべてを一度にやる必要はありません。まずは採用サイトと採用CXという「受け皿」を整え、その上で認知を広げる発信に取り組む順番がおすすめです。
 

採用サイトや採用コンテンツで成果を出すポイント

採用サイトは「あればよい」ものではなく、内容の質が応募の質と量を左右します。押さえておきたいポイントは次の3つです。

  • 情報の具体性:「アットホームな職場です」ではなく、1日のスケジュール、給与モデル、実際の社員の声など、求職者が入社後を具体的に想像できる情報を載せる
  • 更新性と鮮度:数年前の情報のまま放置されたサイトは、それ自体がマイナスの印象になります。ブログやお知らせで動きを見せることが信頼につながります
  • 応募までの導線設計:スマートフォンでの見やすさと、どのページからでも迷わず応募フォームにたどり着ける導線を確保する

なお、SNSを起点にした採用活動の考え方は、過去記事「採用DXセミナーのご案内」でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

TONMANAでは、採用サイトの制作から採用向けコンテンツの発信設計まで、中小企業の採用マーケティングをWeb制作・マーケティング支援サービスとしてサポートしています。「何から手をつければいいかわからない」という段階でも、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

 

まとめ

2030年問題は、採用市場に644万人規模の人手不足という構造変化をもたらします。その影響を最も受けるのは、すでに大卒求人倍率8.98倍という厳しい環境に置かれている中小企業です。

だからこそ、求人媒体に掲載して待つだけの採用から一歩踏み出し、採用サイト・採用CX・日常的な発信を軸にした採用マーケティングに早く着手した企業ほど、有利な立場を築けます。人手不足は2030年に突然始まるのではなく、すでに進行中です。自社の採用ファネルのどこに課題があるのか、まずは現状の棚卸しから始めてみてください。

株式会社TONMANAは、現状の課題に沿った
ご提案は勿論、課題の見えていないお客様には
課題の見える化から施策のご提案をさせていただいております。お気軽にご相談ください。

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